Lesson15 動名詞

もともと動詞だったものシリーズの最後は動名詞です。まずは動名詞とは何かということをしっかりと理解して、それを踏まえて最高難度の理解に仕上げていきます。

動名詞とは

動名詞とは、動詞 (do) にingをつけて、動詞を名詞にしたものです。「そのままじゃないか!」と思ったかもしれませんが、では、同じく動詞を名詞にした to do の名詞用法とどう違うのでしょう。動詞にing をつけたなら、同じ形の【現在分詞】とどう違うのでしょう。ここでの理解がいろんなところに繋がっていきますから、丁寧に理解していってください。

動名詞とは、動詞にing をつけて動詞を名詞にしたもの

動詞は「〜する」と訳しますが、動名詞になると「〜すること」という訳になります。

動名詞の役割

元々動詞だったものを名詞にしたのですから、動名詞の役割は『名詞になる』ということです。例えば studying English は「英語を勉強すること」となります。名詞のかたまりになるわけですから、文型をチェックした時にはそのかたまりが S, O, C のどれか(→ Lesson 2 品詞と文型) になります。

Studying English is fun.「英語を勉強することは楽しい」→ S になる

I enjoy studying English.「私は英語を勉強することを楽しんでいる」→ O になる

また、目的語には動詞の目的語と前置詞の目的語の2種類ありました。前置詞の目的語とは前置詞の後ろにくる名詞(→ Lesson 9 受動態) ことでした。動名詞のかたまりも前置詞の目的語になれます。

I wouldn’t have passed the test without studying English.
英語を勉強することなしでは(しなければ)、そのテストに合格できなかっただろう。)

My daily routine is studying English.「私の日課は英語を勉強することです」→ C になる

ちなみに上のstudying English を『(現在)分詞』とすると、「勉強している」となって、「私の日課は英語を勉強している」という訳になりますからおかしいですね。

分詞か動名詞かはその時の英文を訳してみて区別するしかありません。

意味上の主語

意味上の主語は不定詞のところ(Lesson13 不定詞 ①)でもお話ししましたが、もともと動詞なら、それに対する主語もあるということです。

前の動詞と主語が一致しない場合

いきなりの理解は大変なので、まずは次の英文を見てみましょう。

Would you mind that I open the door?

mind は「嫌がる」という意味です。Would you mind 〜?で「あなたは嫌ですか?」です。

で、「嫌って何を嫌がるの?」となりますから、その内容がthat の中に書かれています。

that I open the door 「ドアを開けること」

that I open the door のカタマリはmind の目的語ということになります。

ところが、実はmindという動詞の後ろにはthat のカタマリは来ないのです。つまり

Would you mind that I open the door? は英語的に間違いなのです。

けれど Would you mind 〜?「あなたは嫌ですか?」の後ろには「何を」にあたる目的語が欲しい。そこで、目的語になれるのは名詞でしたから、後ろの動詞(open)にing をつけて【動名詞】にすればmind の目的語にすることができるのです。(that は文と文をつなぐ接続詞なので、後ろが文じゃなくなったから省略します)

Would you mind I opening the door?

opening the door は名詞のカタマリになり、「ドアを開けること」という意味になりました。

ところが、上の “ I ” は主語ですよね。主語の後ろに名詞というのはおかしくないでしょうか。

例えばopening the door のカタマリは名詞ですから「ペン」という名詞と同じ働きをします。その前に “ I ” という名詞を入れてもいいでしょうか。“ I ” pen … 変ですね。

後ろの名詞に “ I ” がつながるように “ 所有格 ” にします。my penとすれば後ろの名詞につながりますね。

それと同じように、I opening the door も “ I ” を所有格にしてやります。

my opening the door

よって、最終的には Would you mind my opening the door? となります。

前の動詞と主語が一致する時

先ほどはmind の主語が “ I ”, openの主語が “ I ” で主語が同じでした。

次の英文はどうでしょう。

Would you mind your opening the door ? 「あなたはあなたがドアを開けるのは嫌ですか?」

くどいですね。そこで後ろの your は 前の you と同じなので your を消去します。

受動態の動名詞

受動態とは【受身文】のことでした。形は be + p.p. でしたね。( → Lesson 9 受動態

「〜される」の意味になりますが、もちろん「〜されること」という形にできます。be + p.p. に ing をつければいいのです。

be loved「愛される」に ing をつけて being loved「愛されること」となります。

【例文】I don’t like being treated like that.「私はそんなふうに扱われるのは嫌いだ」

動名詞の否定

「〜すること」を「〜しないこと」という形にもできます。そんな場合は ing の前にnot をつけるだけです。

I insisted on not going there.「私はそこに行かないことを主張した」

これは分詞不定詞でも同じ考えでした。

時制のズレ

『時制のズレ』という項目は【分詞】,【不定詞】に続いて3回目です。考え方は全く同じです。

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